中古住宅がどの程度の価格で取引されているかという不動産売買の相場についての情報を、宅地建物取引業者や不動産鑑定士などの資格をもたない個人の努力によって入手するのはたいへん難しいものですが、実は公開されている情報のなかからも、中古住宅についての取引の相場を推し量ることは不可能ではありません。
たとえば、全国の各ブロックごとに置かれている指定流通機構では、共同してレインズ・マーケット・インフォメーションとよばれる独自のデータベースを持っています。指定流通機構というのは、宅地建物取引業法の規定により国土交通大臣の指定を受けた組織で、不動産流通の透明化を図るため、売買物件情報の収集と提供などを行っているものです。ここには全国の中古物件の取引事例が蓄積されており、個人が特定できない範囲において、取引の時期、地域、面積や間取り、築年数、単価、用途地域、建物の種類などの情報を検索できるようになっています。
また、国土交通省でも、都道府県別や都市圏別などの区分によって、毎月の不動産の取引価格を指数化した不動産価格指数とよばれるものを公表しているため、こちらも相場を知る上でのおおまかな参考資料として用いることができます。